透明な黄色の花、ソシンロウバイは今日の日差しに映えてさらに美しく輝いた。清楚な花は清々しい匂いを発し参加者みんなの気分を爽快にしてくれた。
数日前の雨で冬のきのこ”エノキタケ”が、枯れてしまったエノキの木の株もとにあった。その近くにあったハタケチャダイゴケも目ざとく見つけた。
ハタケチャダイゴケに水をかけると胞子体が出てくるのではないかと子どもたちは、スポイドで盛んに水をかけ始めた。こんな時はみんな気が合うらしく、見ていて楽しい。保護者の皆さんも一緒に見入っていた。
鹿の糞があったという参加者の声で、探しに行くとあちらこちらを猪が掘り起こしていた。掘り返した近くに猪の糞があり、それよりも小さい鹿の糞が沢山散らかっていた。
遠くを見ている大人の方に視線を向けると、マツの木に小さな鳥が見えた。何をしているのだろうとみんなで見ると、二羽のヤマガラが仲良く松の実を啄んでいた。
ポプラの葉痕を見て、いつもここにいるシメを見たいと思ったが日曜日は意外に人が多くコース変更をした。何げなく通り過ぎてしまう時、「カニムシ」だと興奮した声が聞こえた。
トウカエデの薄い皮の下に8ミリほどのカニムシが両手を広げていた。小学一年生の子は図鑑でしか見たことが無かったのによく覚えていたものだと感心した。保護者の方も初めて聞き初めて見たと驚いていた。
トウカエデの樹皮にサヤゴケが着生しその下にカニムシが隠れていた。
参加者の人が、昨日から池に来ているカワウが旋回しているのを見つけてくれた。
槐(エンジュ)の木肌が白くなっていて鹿が角を研いだ跡があった。そのことよりも切られた株から枝を出している力強さの方に関心が集まった。ウバユリのタネを見つけた子がいてどんなふうに飛ぶのか実験をした。
自然観察は、ただ単に名前を教えるだけでなくその生きものからのメッセージを知ることではないかと思う。
今日の自然観察を通して、生き物たちの生き方を学び、自然のあり方を理解し、自然の生き物を尊び、その自然を大切にしながら人間との共生はどのようにあれば良いのかを考える機会になったように思った。
【担当:吉田 文雄】