茎を伝わっていく雨が所々で雨粒となりあたりの景色を映し出していた。光には強かったホタルブクロの花が雨に晒され色素をなくし透明に見える。
雨でいつもよりは5℃ぐらい気温が低いと放送されていたが、歩くとどんどん汗が出て来た。
ケヤキの木の下に来ると、たえずグランドから涼しい風が吹いてきて汗がひいた。気温を測ると22℃で気分も涼しくなってきた。
ケヤキの幹にはコゴメゴケやギンゴケがびっしり着生しその上をクロオオアリが何か香りを確かめるように歩いていた。胞子嚢をつけたヒナノハイゴケは雨の日にも関わらず胞子を飛ばしていた。深呼吸をすると気分爽快になった。クロオオアリはこの香りをかぎ気分新たに力強く歩いていたのだろうと思った。
ヤブカンゾウやシモツケの花も雨の恩恵を受け元気よく咲いていた。
どこでも見られるヤブガラシ、こんな小さな花(5㍉ほど)にも大きなヒメスズメバチが訪れ蜜を吸っていた。ヤブミョウガの花にはヒラタアブが集まっていたが上のほうにいるカニグモを気にしながら花粉を探していた。
美しいコツボゴケそれを鑑賞するワラジムシも美しい。霧に煙る山々も一段と美しい。
雨の日も楽しい自然観察。乾燥した田畑や山にとっては恵みの雨であるが、各地では今までにないような記録的大雨となって被害が出てきている。これも地球温暖化現象なのだろうと言われている。神奈川県では温暖化防止に取組んでいるが、県民一人ひとりにもっともっと目に見えるような取り組みをする時ではないだろうか。
[担当:吉田文雄]