しばらくイカルのコーラスを聞いていると時間の経つのを忘れてしまった。
高いポプラの木を眺めていると、
高い空を悠然と飛ぶ鷹がいて数日前のことを思い出した。
久しぶりに、オシドリを見ようと宮ケ瀬周りで帰った。
仲間と楽しそうに泳ぐオシドリを見ていると
西に傾いた薄明光線の中に鷹が浮き彫りになった。
遠く離れていたので鷹の種類は分からなかったが、
雲間から差す光の中で輝いて美しかった。
秋の日は釣瓶落としと言うが、
見ている間にどんどん日が下がり、肌寒くなってきた。
太陽の光が下から差す薄明光線になったとき、
まだ上空に鷹が見えた。よく見ると数羽の鷹が飛んでいるように見えた。
望遠レンズを用意して群れらしき中心を狙うと、
200羽ほどの鷹が乱舞していた。
渡りの準備なのかもしれないと思った。
イカルの声と高い空を飛ぶ鷹からこんなことを思い出した。
気がつくとイカルはどこかに飛んでいってしまい、
陽だまりでアキアカネが体を温めていた。
キタテハも今日の日を惜しむように日向ぼっこをしていた。
シジュウカラは春の準備と新しいお部屋探しを始めていた。
紅葉したイロハモミジには種子が、そして黄葉したモクレンには新しい芽が見える。
今、ふれあいの村の生き物たちは秋から冬へと、
そして春への準備を始めている。
そんな静かな中に命輝くふれあいの村にぜひ遊びに来てください。
【文:吉田文雄】