この時期になると、村内を少し歩くだけで、さまざまな虫たちに出会うことができます。
ガサっと、音がする方向を見てみると、落ち葉の中に『ニホンカナヘビ』がいました。始めは、よく目を凝らしてもわからないくらい、落ち葉の色に溶け込んでおり、近づくとものすごいスピードで物陰にかくれてしまいました。
近くの葉を見ると、風がないのにゆらゆらと揺れています。何かと近づいたら、こちらには『バッタ』がいました。こちらも、葉の色と全く同じで探すには一苦労。
このように、まるで葉や木に溶け込むような技を『擬態』といいます。鳥など、虫たちにとって敵となるものから身を守るために、進化してきました。厳しい自然界の世界に生きる虫たちの知恵です。
生きていく周りの環境に色を合わせる。人間では「協調性」と表現ができるかもしれませんが、虫たちにとっては死ぬか生きるか紙一重の世界です。
ただ、合わせることで生きていけること。これはなにか人間に通ずるものがある気がしますね。多田(らん)