鳥たちが子育てに力を注ぐ中、植物も芽吹き、あちこちで新しい命の誕生をみる事ができます。
秋に真っ赤に染まり、紅葉が見事な『イロハモミジ』。夏には緑色の葉が生い茂り、涼しい木陰を作ってくれます。
そんな誰もが一度は目にしたことがあるモミジ。4月には真っ赤で小さく可愛らしい花が咲いていました。
この花から、5月に入り、真っ赤な種ができました。この種は日が経つと次第に緑色になっていきます。秋までは葉が光合成を、根が水を吸い養分を蓄え、次の子孫を残すための旅立ちのために準備をします。
足元を見ると、昨年落ちた種から新しい芽が誕生していました。この小さな芽からこの大きな木に成長するまでは、何十年もかかります…。モミジの木は堅いので、成長まで時間がかかるのです。
盆栽家の間では、モミジを種から育て、この小さな芽を鉢の中に密集して『モミジ林』を作り、楽しむ方もいらっしゃるようです。
1年、365日という周期。そして寒暖の差を生む、日本ならではの『四季』。生きていく環境に順応し、子孫繁栄のために植物は生きています。その生き抜く知恵と知識から、人間も多くのことを学ぶことができます。
四季を感じる事ができるのも、気温だけではなく植物の姿形から視覚的に感じることもひとつです。誕生してから、次の命をつなぐバトンを渡すまでのサイクルを、ひとつの植物を1年かけて観察してみるのも、いいかもしれません。
多田(らん)