午後三時半にはすでに暗くなり始めました。雨雲も手伝って、早々にてっぺんは覆い隠されてしまいました。村から見える山は水墨画のような色合いをしています。外気温は9℃。
グラウンドのある低い方から緩やかに吹いてくる風でも、頬にあたると寒さを感じます。
そんな日、人間は雨の当たらない暖かい室内へ入り、暖房器具で暖を取ります。しかし、たいていの虫は屋外で雨や寒さを凌いでいます。今日はニシキギで昆虫たちが雨宿りをしていました。
そして、ミノウスバのメスがじっと耐えていました。翅をぬらすわけにはいかないのでしょう。しっかりと枝をつかんで雨宿りをしていました。微動だにせず、そこからは動かないようでしたので撮影をしたら、そっと離れました。
他には、かわいい(?)顔して自分よりも大きなハチなどを捕まえて食べてしまうワカバグモが葉の裏で潜んでいました。ワカバグモは、名前の通り綺麗な若葉色をしています。私には緑のグミのような色をしているように見えます。
緑色の葉であれば、同化して見つかりにくいのかもしれませんが、ニシキギの鮮やかな紅色の上にいると目を引きます。この緑と紅のコントラストに、跳ねる水滴。
寒くて雨が降っている日だからこそ見られるのだと思うと、外に出て良かったなと感じます。こんな日でも、自然のなかでは昆虫たちは生活をしています。風邪をひかぬよう、暖かいかっこうをして外に出てその生活を垣間見てはいかがでしょうか。色々な発見があるかもしれません。(葉)