炊事場付近を歩いていると、落ち葉がカサカサと音をたてました。
音がするとついつい生き物の姿を探してしまう私ですが、
どうやら音の正体は生き物ではない様子。
思い当って周囲を見ると、小粒なあられが降ってきていました。
ちなみに、雹(ひょう)と霰(あられ)の違いは、氷の粒の大きさだけ。
直径5mm以上はヒョウ、それ以下はアラレと呼ばれます。
服に落ちてきた霰は、すぐに溶けて水滴に変わってしまいました。
例年この時期には雪が積もっているのですが、先日に降った雪はすっかり溶けています。
今年は暖冬というのも納得です。
さて、通り雨ならぬ通り霰も止んだので、村内を歩きました。
よく目立つのは、モグラ塚。
村内のいたるところで見かけることができます。
「モグラは日に当たると死んでしまう」と言われますが、これは半分正解、半分間違いです。
モグラは大食漢で、土の中の昆虫やミミズを食べて生きています。地上に出てしまうと、
食べ物がなくて死んでしまうのです。日光に当たったからではありません。
日に当たると死ぬと思われたのはおそらく、生きている間は土の中で過ごすため、
地表で見るモグラはその多くが死骸だったからではないでしょうか。
トカゲのように日光浴をする生き物や、ヘビのように週に一度しか食事をしない生き物もいます。
こうした違いを知っていたり、考えたりするだけでも、外を歩くことが少し楽しくなります。
今の時期はトカゲもヘビも見当たらないので、それは残念ですが…。
冬にしては妙に暖かかったり、季節を思い出したかのように寒かったりする村を巡りながら、
静かに自然観察をしてみるのはいかがでしょうか。普段は寒いので、防寒着は忘れずに。
見事な梅の花も咲いていますよ。
大谷リオ