村内に昆虫がよく集まる場所があります。そこへ1匹のスミナガシが木にとまって翅を休めていました。チョウは花の蜜を吸うイメージがありますが、スミナガシは花の蜜ではなく、木の樹液や熟した果実、動物の糞などにやってきて汁を吸います。秋は「実りの秋」「食欲の秋」と言いますからね。きっと昆虫も季節をお腹で感じているのではないでしょうか?…それはないですかね(笑)スミナガシという和名は、黒っぽい中にも複雑な模様がある翅を「墨汁を水に流して作った模様に喩えた」ことからきています。
日本では、スギやヒノキなどの植林や管理放棄によって雑木林が減少し、それに伴ってスミナガシも個体数を減らしているそうです。自治体によっては絶滅危惧種に指定しているところも多いといいます。
私たち人間の暮らしは豊かですが、その分野生生物たちの住処が失われてしまっていないか心配です。人間と野生生物たちが良いバランスで暮らしていけたらいいですね。(大瀧)